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福嶋浩彦さん講演会:ペストフの三角形

2010/12/13
12月12日

佐倉市では現在「自治基本条例」が、市長主導で作られようとしている。このままでは、内容がスカスカのものが出来るのではないかということで、「市民自治の語り部」福嶋浩彦さんを講師にお呼びした次第。

福嶋さんは3年前まで、3期12年我孫子市長を務めたあと、大学で教鞭を取っていらっしゃったが、昨年から今年にかけて、政府行政刷新会議の事業仕分け人となり、レンホ―さんと一緒によくテレビにも写ってらした。
このあと、今年8月には政府に請われて、消費者庁長官に就任。超多忙の福嶋さんに無理を承知で、実行委員会形式で来てもらったが、結論として、予想をはるかに上回る大変実りの多い講演会だった。

黒板 
黒板に図を描きながら熱弁の福嶋さん


まず、いきなり難解な「ペストフのトライアングル」から始まった。
ペストフ??? トライアングル???
福嶋さんが黒板に描いた図がこれ。↓

ベストフ 

公共の担い手には3つあり、それぞれが三角形の三つの角で表わされる。
すなわち、「コミュニティ、市場、政府」だ。真ん中の星印の三角形は、非政府、非営利、公式に当たる部分でいわゆる協同組合や事業NPO。ここを強くすることが市民社会を強くすることになる。「新しい公共」とはこの部分を指すのだろう。
2時間近くの講演には、「市民自治」のエキスがいっぱいのお話しがテンコ盛りでとてもここには書ききれない。せめて印象に残ったものを羅列すると・・・

市民税率が全国一律なのは問題。各市で決められるとなると、例えば夕張市を例にした話では…
「大観覧車を作れば全国から観光客が押し寄せる。まず事業費がかかるので市民税を3%高くするが、そのあと必ず儲かるので5%減税にします」と市が約束すれば、市民は必然的にこの事業を必死でチェックして、作るか作らないかを考える。今までのように、なんでもお役所の決定にお任せではなくなり、「受益と負担」の区分けを市民が決める。これすなわち市民自治!

市民の自治力を高めるには、市民同士の議論が大変重要。意見が対立することがほとんどだが、それをコーディネートするのが市長の役目。

名古屋の河村市長や大阪府の橋下知事は議会と対立が続いているが、首長と議会が対立することこそ、むしろ健全な証拠。二元代表制では、両者がべったりのほうが大問題。議会をリコールするのは市民がやることであって、首長がやることではない。

などなどだが、やはり一番会場が盛り上がったのが
「事業仕分け」の話。
レンホ―さんの「なぜ2番目ではいけないのか」と発言する姿が繰り返しテレビで報道され、「文化系の無知な仕分け人が、スーパーコンピュータという科学をぶった斬った」と非難された。しかし、真相は全く違うという。仕分け人の中にはスーパーコンピュータの日本一の権威である東大の教授もいたそうで、科学に無知な仕分け人というのは当たらない。
スーパーコンピュータというのは、速度だけ競うのではなく、ネットワーク性が大切。1台が10ペタ(速度の単位)であるより、10台が1ペタという10分の1の速度であっても互いがネットワークを作ることで、より進んだ科学技術となるのだ。

ここを指摘したのがレンホ―さん。「速度だけ競うのか? 速度が2番目でもいいではないか」発言の一部だけを切り取って、執拗に画面に流すマスコミよ、恥を知れ! 10ペタも1ペタも、ペタペタだぞ。意味不明…

ああ、思い出すだけでも非常に疲れる。汗だくで熱弁をふるってくださった福嶋さん。あなたこそがスーパーコンピュータだ。トライアングルだ。ペストだ。いや、ペストフだ。いかん、脳の回線がショートしてきた。


実行委員 
講演終了後、実行委員会のメンバーと福嶋さん

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05:18 市民自治