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ご存知ですか?自立援助ホームを

2011/01/25
1月24日の午後、君津市にある自立援助ホームを訪れた。

今日本列島を席巻しているのが、官直人ならぬ、伊達直人=タイガーマスク。
児童相談所や児童養護施設へランドセルなどを贈る行為が新聞紙上を賑わせ、連鎖反応的に国内あちこちに、同時多発的にいろんな名前で出没している。

「とりあえず児童養護施設にスポットが当たって、いいんじゃないの」という声も多い。ところが、その延長線上にあるのに、全くスポットが当たらない施設が自立援助ホームである。

子どもが児童養護施設にいられるのは15歳まで。全日制の高校へ通学する場合は卒業(18歳)までいても良い。
しかし、その先、児童養護施設を出た子どもたちはいきなり世間の荒波に放り出されるのだ。
ほとんどが親からの虐待をずっと受けてきた子どもたち。15や18で社会に出て働くなんて、普通の子どもでもすごく大変なこと。まして、親からの虐待の傷を抱え、自分をどうしても肯定的に見られない、また大人を信頼できない、誰かを頼ることさえ学べなかった10代の子どもたちにとってはどんなに過酷なことであろう。しかも、この不況のなか自力で働いて食べていかねばならない。

そうした児童養護施設を出た子どもたちの就職や自立を支えようというのが、自立援助ホーム。全国で73か所、千葉県内には2か所ある。

本日訪れた君津市内の「人力舎」。施設長の高橋さんが丁寧に応対してくださった。人力舎は定員6人。現在は男子3人、女子2人が働きながら暮らしている。寮費として一人毎月3万円集めるが、あとは措置費でまかなう。以前は6人分の定額が国庫補助金として来ていたが、現在は人数に応じた額が措置費として来るので、5人なら5人分しか来ない。
しかも、子ども6人に対して職員は2.5人(正規職員2人+非常勤1人)と決められているので、金も人も全く不十分な状態である。

ただでさえ困難なケースの子どもたちをかかえ、せめて4人の職員は必要だと高橋さんは指摘する。

東京の施設「憩いの家」の施設長三好さんの談話からーーー
「退寮して16年ぶりに連絡してきた子がいる。その子が『憩いの家での生活がなかったら、今の自分はない』っていうから、なんで?と聞いた。そしたら『あの半年間、初めて安心して食べて安心して寝れて仕事に行く生活を送った。その後ダメになりそうになる度にあの半年間を思い出した。自分には立ち戻る場所がある。あの半年間がなければグチャグチャな人生の中で立ち戻る場所がなくて迷うしかなかった』って…」

安心して食べ、寝ることさえ手に入れることがむずかしい子どもたちのために、手を差し伸べることが、タイガーマスクだけではなく、私たち大人の責務ではないか。

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05:21 視察報告
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