あやうし!千葉県の男女平等
9月28日
総合計画、教育振興基本計画と、次々と森田カラ―を強烈に打ち出している千葉県だが、今回は「男女共同参画計画」に火の手が回ってきた。
男女共同参画計画は第1次計画(2001年~2005年)、第2次計画(2006年~2010年)と策定されてきた。
そして今年は来年度からの第3次計画(2011年~2015年)の策定作業に入っている。
この3次計画の内容が大変問題である。
計画策定に当たっては、男女共同参画推進懇話会が大きな影響を与えるのであるが、新メンバーに森田知事が任命した有識者3人が入り、加えて議会からはアンチ男女平等で有名な県議が入り、まるでバックラッシュ派の牙城のようになった。
懇話会1回目の議事録を読んでもらいたい。
→ 平成22年度第1回千葉県男女共同参画推進懇話会開催結果(千葉県HPにリンク)
この懇話会の意見を取り入れて作られた第3次計画の骨子が発表されたが、2次計画より大幅に後退した内容となった。
① 第2次計画の「基本理念」は以下のとおり。
「女性も男性も人として尊重され、その人らしく生きることができ、それぞれが個性を認め合える社会、そして平等な社会の実現を目指します」
これがそっくり消え、3次計画では「目標」に格下げ。しかもその文言が
「男女がともに認め合い、支え合い、元気な千葉の実現を目指します」となった。
【平等】という文字が消え、森田ジルシの「元気」が入っている。「認め合い」だの「支え合い」だの口当たりのいい言葉が並んでいるが、「平等」を意図的に消してしまった以上、不平等な関係での認め合いであり、支え合いでしかないのではないか。
② 男女共同参画を妨げるような社会的制度や慣行の見直しが、目標から削除されている。
③ 「学校教育における男女平等教育」の文言が削除されている。
④ 「政策方針決定過程における男女共同参画の促進」が削除されている。
などなど、とにかく全体から「男女平等」という文字が完全に消え去った。
森田知事は「平等」という憲法で保障された文言を、ろうそくの火を吹き消すように消してしまったのである。
この事態を受けて、本日全国フェミニスト議員連盟の代表である八潮市議・矢澤江美子さん、世話人の三井マリ子さん、そして西武(にしたけ)節子さんの3人が来葉。
岩橋さんと、小宮県議と私の6人で男女共同参画課に行き、課長に申し入れ書を提出した。申し入れ書の内容は、上記の問題点を修正してほしいというものである。
このあと記者会見を開いた。
三井マリ子さんは想像以上のパワフルな女性。カツ舌良く、押しが強く、説得力抜群。
豊中市の男女共同参画センターの非常勤館長職を雇い止めされたことの違法性を追求する裁判で逆転勝訴したことは、久しぶりに世の女性たちの溜飲が下がったニュースだった。
男女差別を訴えてもなかなか分かってもらえないことが多い。
しかし、人種差別と同じく、人間を「性」で差別することは、その人の基本的人権をないがしろにすることである。もしも学校の出席簿が白人と黒人で分けられ、常に白人が先に呼ばれたら大問題になるのに、男と女だと、ごく当然のことのように受け止められる。この違いをじっくりとみんなで考えたい。