かずさアカデミアパークの奇奇怪怪???
株式会社「かずさアカデミアパーク」が経営破綻。今月25日に民事再生を申し立てた。負債総額は約57億円。
かずさアカデミアパークについては、企業誘致の見込みの甘さ、地権者へ法外に高い賃料を払っている件、DNA研究所の研究目的のあいまいさ、などなど、数々の問題点を私たちは指摘してきた。今回、パーク内でホテルオークラとスポーツ施設を経営している三セク「株式会社かずさアカデミアパーク」(以後「会社」と呼ぶ)が経営破綻をしたのだが、事態は会社のみならず、パーク全体の運営にかかわる問題であり、千葉県の責任が大きく問われる。
会社は千葉県と43の出資団体で構成されているが、出資金35億円(約36%)の千葉県が筆頭株主である。同社への県の貸付残高は17億3900万円。これに損失補償7億8000万円、場合によれば出資金も無価値になってしまうだろうから、合計60億円も回収不能になるおそれがある。県民の税金がまたドブに捨て去られようとしているのだ。
25日の森田知事のコメントは、「県は最大の債権者となっているが、支援の安易な継続で県民の将来負担が増すようなことがあってはならない。自立した会社に生まれ変わることを期待している」。いかにも他人事で突き放した態度だが、これ以前に県議会などには一切説明もなく、唐突に貸付をストップして、幕をおろしてしまった印象が強い。
だがしかし、県の責任は限りなく大きい。
まず、「会社」の社長が県のOB.。なんと、ホテル経営とは縁もゆかりもない水道局長だった・・・ その前の3人とも県庁OBだというから、まさに県の出先機関として位置づけられてきたのだ。しかも、アカデミアパークを作る時、県は木更津の山奥にシリコンバレーのような先進技術集積地を作れば、優良企業がドンドン集まるという「絵に描いたモチ」いや「絵空事」の大風呂敷を広げ、血税を気前よく注ぎ込んできた。バブルがはじけた後に完成した山奥の開発地には、笛吹けど企業来ず。
仕方なく、数年前には「バイオ関連や先進技術の研究所であること」という規制もとっぱらい、エブリバデー・ウェルカムとなったもんだから、今ではそこいらの代り映えしない工業団地となってしまった。それでも土地利用は50%をちょっと上回った程度というから、恐れ入る。
たくさんの企業が来ることを前提にして建てられたのが、くだんのホテルオークラ。
同名の有名ホテルが経営のノウハウを指導しているというが、どんなに赤字を出そうがこの有名ホテルには一切の負担がない。こんなことで、プロが本気で経営改善などの指導に取り組むはずもなかろう。ずぶの素人が、最悪の立地条件の中ホテル経営をしてきたのだから、破綻は火を見るより明らかであった。
今回の件で一番解せないのは、この突然の幕引きを、「ダレ」が「いつ」決めたのかということだ。昨年末の行革委員会では、株式会社かずさアカデミアパークの案件だけが「非公開」となり、私たち議員は傍聴席から締め出された。資料さえもくれないという徹底ぶり。ホテルの営業にも関わる審議であるから、という理由だった。このとき会社の息の根を止めることが決まったのか、と商工労働部に聞いたが「違う」という。昨年6月ごろから、県は会社の経営改善計画に難色を示していたというのだが、それにしても、次善の策を検討することも一切なしで「お前はもう死んでいる」宣言。
どうも、森田知事周辺の誰かさんがまたゾロ動いたとしか思えないのだが、はて?