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八ツ場ダム:オーハタ氏はオ―きなハタ迷惑

2011/01/15
菅改造内閣がスタート。国交大臣も馬淵氏から大畠氏に変わった。
八ツ場ダム中止宣言から3人目の大臣である。そして変わるごとに「中止」という意味がぐずぐずになってきた。
前原→ 威勢良く「中止!」宣言。しかし、その後はほったらかし。現在の混迷を招いた張本人。
馬淵→ 何とか事態を収拾しようとして、「中止は棚上げ」発言。「中止は撤回」とみる向きもあるが現実的な対処法としては一定の効果があり、推進派・反対派の両方から好感を持たれるという思わぬ展開に。
大畠→ 「ダムのことは何にも知らない」という情報が入ってきている。これまでで最悪の人事。推進派は胸をなでおろしていることだろう。


心配したとおり、毎日新聞はこう報じている。(1月14日 23時15分)


――(大畠章宏国土交通相は14日夜の就任会見で)八ッ場ダム(群馬県)についても「一切の予断を持たずに検証する前大臣の方針を大切にする」と述べ、建設中止の方針を棚上げする考えを示した馬淵前国交相の姿勢を踏襲する考えを強調。公共事業のあり方については「見直しは必要だが、必要なものは積極的にやる。地方における公共事業は非常に大事だ」と述べ、政権交代以降続いている公共事業費の大幅な削減に危機感を示した。


彼のいう「大事な公共事業」に八ツ場ダムがするりと入る可能性は高い。やれやれ…


折もおり、八ツ場ダムを国交省関東地方整備局が検証(推進?)する「検討の場」の第三回目が昨日行われた。
なんと、八ツ場ダム建設の工期延長(3年長くなる)と、事業費増額(30億円強)の方向だという。やっぱり、ダム中止どころか、ダム建設を前提にした議論で進んでいる。この会議を傍聴した方によると、「出席した官僚には、やっと建設再開できると言うホッとした空気が充満していた」ということだ。なんたることか。


さあ、千葉県民の皆さん、これでまた私たちの税金が無駄なダム事業に使われることになる可能性が高くなってきた。
今のところ3年延長,30億円増額などとおとなしい数字を出しているが、みるみる水ぶくれすることは必定。4月の統一地方選で、ダム推進を錦の御旗にしている自民党にだけは票を入れないよう、祈るばかりである。

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20:12 八ッ場ダム

2010/12/27
【八ツ場ダム:来年の予算は相変わらず。看板倒れの民主党】
2011年度の政府予算案が示された。民主党政権がいちから手掛けた初の予算案である。
一般会計当初予算としては過去最大の92兆4116億円。

まず驚いたのが膨大な「借金(国債)」だ。
新規国債発行額は過去最大だった今年を50億円下回る44兆2980億円。
しかし、税収40兆9270円を3兆円以上上回る、つまり収入よりも借金が多い異常事態となった。財政破綻へまっしぐらの予感を、どの新聞も指摘している。
「ばらまき予算」、「つぎはぎ予算」、「帳尻合わせ予算」、「無責任予算」…悪口の大合唱だ。

気にかかる八ツ場ダムの予算を調べると、えーっ!!!
今年とほとんど同じ152億8400万円。
巨大橋りょうや付け替え道路に付け替え鉄道、これらを何ら精査もせず、国交省官僚や現地事務所の言いなりになって、公金を投入し続けている民主党政権。本気で八ツ場ダムの中止と現地住民の生活再建を考えているのなら、もっと違う予算付けがあったはずだ。このまま進めば、全体予算の9%しか占めない「本体工事」だけやらず、まわりは全て完成という世界でも類を見ない「空っぽダム」として、新名所となるだろう。

今朝は志津駅で早朝チラシ配りをやったが、「八ツ場ダムはなぜ止まらないのか?」というタイトルのチラシは非常に受け取りがよく、これまで以上に佐倉市民の八ツ場ダムへの関心の高まりが感じられる。
しかし、県議会が相変わらず自民党が過半数を占めるような事態が続くと、八ツ場ダム推進派が多数を占めることになる。来年の統一地方選では少しでも自民党の議席が減るよう、私たちも訴えていかねばならない。

昨日は寒風吹きすさむ中、私の看板をかけていただいている3人の支援者のお宅を回って、入江あき子の看板と張り替える作業をした。どなたも相変わらず温かく、「入江さんに代わるの? いいですよー!」と看板の継続を快く承知して下さった。感謝、感謝。

入江あき子 

ただ、高い所に登って針金で看板を止める段になり、悪戦苦闘。入江さんも私もお手上げ状態で、日を改めて私の夫に出向いてもらうこととなった。夫の偉大さが身にしみる…って、これ4年前の看板架けのときにも吐いたセリフだっけ?

八ツ場ダムは「推進」から「中止」へと、看板が付け替えられたが、中身はほとんど同じまま進んでいる。




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12:58 八ッ場ダム

八ツ場ダム:いざ!国交省へ

2010/12/24

12月22日

八ツ場ダムは現在もダッチロール状態。
八ツ場ダム推進を声高に叫ぶ1都5県の知事たちは、「八ツ場の検証をサッサとせよ。でないと金は出さんぜよ」と、脅迫まがいの言動を繰り返す。これに屈した形で、馬淵大臣が「来年秋までには八ツ場ダムの検証結果を出す」として、検証を担う「検討の場」なるものが立ちあがった。

 

ところがこの「検討の場」、仕切るのはこれまで八ツ場を推進してきた国交省関東地方整備局。構成メンバーは全て関係都県の知事とお役人さんたち。要するに、オール推進派で進める会議なのである。これじゃあ、「八ツ場ダムは必要ない」という結論が出る確率は、民主党政権があと10年続く確立よりも低いと言えよう。つまり、限りなくゼロ%に近い…

 

これはアカンということで、急遽、「1都5県議会議員の会」では馬淵大臣に要請書を提出することになった。
中身は「推進派の一方的な説明を鵜のみにせず、利水・治水の両面を、科学的・客観的に検証すること。検討の場では一切ふれていない【水没地域の脆弱な地盤】の検証を行うこと」などである。

 

問題は日程。大臣に会うのがいかに大変か、民主党政権に変わっても相変わらず。2週間も前に東京都議の花輪さん(民主党)を通じて打診してもらっていたが、結局返事が来たのが、今月20日の午後。「2日後の12月22日午前11時半から10分だけ会える」とのこと。しかも、大臣ではなく津川政務官が会うということだ。あさって?! 時間がない。なんで、こんなギリギリなの、と文句をたれながら、大急ぎで各都県の議員に連絡。要請文を書いて下さった嶋津さんも同行できることになった。群馬県は、事務局長の角倉さんがただいま選挙活動真っ最中(うちだってそうだけど)のため上京は無理、群馬県庁内で東京と同時多発の記者会見をやることになった。

 

翌日は1日中ほかの用事でバタバタしており、夜になって、明日(当日)の記者会見のセッティングが出来てないことが判明。慌てて国交省記者クラブに電話。誰も出ない。(夜の10時。当たり前だ) あしたの会の渡辺さんや、大河原さんに電話しまくり、なんとか明日の朝に大河原事務所が動いてくれることとなり、ホッ。

 

翌日、面談場所の国交省へ出かけるが、ユーカリが丘駅までの途中で、記者クラブに配布する要請文を290枚コピーする。東葉高速の車内はガラガラ。私は迷わず、座席一面にコピーをずらっと並べ、5枚1組にセット。持参したホッチキスでパチパチ止め出した。勝田台を発車してから10数分、行徳にさしかかる頃には、車内にかなり人が… 視線が突き刺さるぅ! もはや限界と、まだ半分しか閉じていなかったが、泣く泣く刀をおさめた、いや、ホッチキスをバッグにおさめたのであった。

 

国交省では、花輪さん、田の上さん、田添さん(以上東京都議)、湯浅さん、吉川さん(千葉県議)らが出席。嶋津さんもいるので心強い。国会議員は、大河原さん、初鹿さん。三宅雪子さん。三宅さんは先日マンションから落ちて大けがをしたばかり。胸にまいたギプスが痛々しい。

 

さて、政務官の部屋まで行くのが、これまた大変。まず、控えの間で待たされる。本丸はなが~い廊下の奥。いかに相手が「権力者」かを思い知らされることになる。自民党時代と何一つ変わっていないのではないか。

ようやく会えた津川政務官はまだ若く、自信に満ちた「権力」のオーラがびんびん出ていた。

 

打ち合わせ通り、花輪さんが口火を切る。
「東京都議会では八ツ場ダム中止の方針が出されている。民主党としては確固たる態度で、科学的で客観的な検証を実行して欲しい。また、今年6月には当時の枝野幹事長が、生活再建法案を数週間後には提出させると約束したのだから、守ってほしい」

 

他、全員で、ともかく客観的なデータをしっかりと出してほしいと次々に訴えた。

 

これに対して津川政務官は、「議論の途中であっても、県民に情報をオープンにすることが大事だ。
検証はどなたでも納得してもらえるものをめざしている」と言葉少な。
「どなた」には、推進派まで、まさか視野に入れてはいないでしょうね。

 

このあと参議院会館に場所を移して記者会見。そこで衝撃的な事実が判明。なんと大河原事務所で、今日記者さんたちに配る資料は印刷して用意してあるということだ。ああ、私の東葉高速内の獅子奮迅のホッチキス技はなんだったのか。290枚のコピーを手に茫然と立ちつくす。記者会見では、記者のほうから「統一地方選では各地で八ツ場を共通テーマにして訴えればよい」というグッドなアイデアが出された。佐倉はとっくにそうしていますけどね。

 

本日提出した要請書は以下をクリック。
「八ツ場ダム1都5県議員の会の要請文」


 

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05:21 八ッ場ダム

八ツ場ダム:石の上にも6年…

2010/12/08

遅ればせながら、12月4日に行われた八ツ場ダム住民訴訟6周年報告集会のご報告を。
「石の上にも3年」というが、私たちはすでに2巡目を終わろうとしている。
引き続き、強い石(意思)でがんばるぞ!


今回の集会の白眉は、何といっても関良基さんの基調講演「八ツ場ダムより緑のダム」。

11月5日に馬淵国交大臣が記者会見で、基本高水22000㎥について次のように語った。「基本高水22000㎥については、当時の国交省が大変ずさんな報告をした。率直にお詫び申し上げる。改めて、従来の流出計算モデルにとらわれることなく、基本高水について検証するよう河川局に指示を出した」これが事実上の「22000㎥撤回宣言」である。

これを引き出したのが、まさに関さんだったのだ。森林政策学者として、緑のダム(森林の保水力)を無視する国交省の計算に、直感的に「欺瞞」の臭いをかぎつけた関さんは、国交省を撃沈する記事をブログに書き、東京新聞に送る。
そこでエライのが東京新聞の篠ヶ瀬(ささがせ)記者。「八ツ場――揺らぐ根拠」というタイトル1面トップ記事にした。内容は一言でいうと「飽和雨量」の嘘八百だが、11月12日のブログで簡単な説明を書いたのでお読みください。さて、これまたエライのが八ツ場ダム弁護団の高橋弁護士。早速関さんに連絡を取り、ついに関さん、私たちの「反八ツ場トリデ」に入ってきたという次第。


更に、関さんは自民党の河野太郎議員と連絡を取り、これが河野議員の衝撃的な国会質問となり、飽和雨量のウソ八百が国会の場でさらけだされたのである。

しかし、これだけ暴かれても、「白を黒、黒を白」と強弁するのが御用学者だ。

前原前国交大臣が招集した「有識者会議」の議事録がパワーポイントに映し出される。ひとりだけ、東京新聞の記事が指摘することを検証するべきだと主張するまともな委員がいるのだが、これを全否定するのが、有名な御用学者。他の委員も彼に右へならえ。情けな!

(御用学者)「だから、緑のダムなんていうものは、そんなものあり得るわけがないし、幻のダムと思う」
(まともな学者)「当時の山の状況と、今の山の状況は変わっていますよね」
(御用学者)「だからね、緑のダムっていうのはないんです!」


関さんはこのやりとりを引用して、「これは科学史に残るスキャンダルである」と中世の天動説対地動説の論争を例に痛烈に批判。
◆17世紀の場合
ガリレオ・ガリレイ:(自作の望遠鏡で木星を見せ)
「木星の周囲を回る衛星が見えるでしょう。すべての星が地球の周囲を回っているわけではないのです」
御用学者:「えっ、そんな星(木星の衛星)ないよ。どこにも見えないよ!」

◆21世紀の場合
まともな委員「洪水デ―タを見れば、森林が回復すれば保水機能が高まって、洪水の出方は少なくなっていることがわかるでしょう」
御用学者「全くのナンセンス。緑のダムなんてありえない。幻のダムだ!」

私たちの税金で運営される検証機関が、こんな出鱈目、真っかなウソを「本当だ」と言い募り、まともな意見を黙殺する。これが許されることだろうか。もはや犯罪ではなかろうか。
しかし、東京新聞以外の新聞はこれら一連の事件に対し、ダンマリを貫き、結局世間にはあまり知れ渡らず、ウソをついた国交省の役人も学者も、誰一人おとがめなし。

あああ、今も17世紀とちっとも変ってやしない。
「それでも地球は回っている!」
「それでも八ツ場ダムは必要なし!」

師走。もうすぐ、「石の上にも7年」の年がくる…

 

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19:09 八ッ場ダム

あしたはどうなる?八ツ場ダム

2010/11/22

11月22日

昨日、東京大学弥生講堂で、八ツ場あしたの会主催のシンポジウム「八ツ場ダムはどうなるのか」に参加。

 
第1部は、保坂のぶとさん、中村庄八さん(地質学者)、牧山明さん(長野原町議)の3人による八ツ場ダム現状報告。

 
保坂さんはちょうど、制作中だったDVD「八ツ場ダムはなぜ止まらないの」が完成し、そのサワリを上映しての現地報告。山を削り谷を埋め、今も八ツ場ダム工事は進んでいる。前原前国交相が「中止する」と言ったのは「ダム本体工事」だけであって、巨大な橋や道路など「関連工事」は毎日盛大に続いているのだ。保坂さんがDVD画面に登場。例の巨大十字架橋(今はつながって「不動大橋」と呼ばれる)をバックに、名解説が始まった。


中村さんの報告は衝撃的だった。
30メートル以上も谷を埋めるという前代未聞の宅地造成。自然界は元に戻る力が大きく、谷はまた谷へ戻る力が働くと言う。またここに埋め戻される土は変質しやすく、数年で風化し、泥や砂礫と化す。こんな造成地に水が溜められるとどうなるか。以下の図をご覧いただきたい。
 

代替え地崩壊 
 

そして、1963年にイタリアのバイオントダムで起きた大災害が紹介された。
もろい地形の深い谷に作られたこのダムは、大雨でダム周辺の崖が地滑りを起こし、その結果100メートルを超す津波が発生。下流の村人2000人以上が犠牲となった。インターネットで検索すると、当時の写真にヒットした。

 
災害前と災害後 
(写真:災害前と災害後)深い谷から水が押し寄せ村を飲み込む…

災害後のダム 
災害後のダム

地滑り 
地滑り

奇跡的に残った教会 
奇跡的に残った教会
 

八ツ場の地形を考えると、こんな大惨事がよそごととは思えなくなる。
代替地の安全基準にもハテナ・マークがつく今、ここにだけはダムを作っちゃいけない!

 このほか、シンポジウムでは、五木村から寺嶋さんという住民団体の方が発言。
ダムを中止した場合の法的整備がなされないまま、住民の生活再建がうっちゃられている現状は八ツ場ダムと全く同じ図式であり、一緒に手を取り合っていきましょうと、力強くアピールなさった。

それから、現地長野原の町議である牧山さんは、下流都県の力なくしては現地の生活再建ができないと、切々と訴えられた。
ほかにもまだまだいっぱい書きたいけれど、記憶力がおっつかない。嶋津さん、渡辺さん、まさのあつこさん、みんな相変わらず整理された素晴らしい語りで魅了。なんとも内容の濃い超ド級のシンポジウムであった。


終わってからの懇親会では、中村さんが手品を披露。
ところがこれを映したデジカメを、テーブルの上に忘れたまま帰宅してしまった。シクシク…
こちらドジカメのひろみであった。

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22:36 八ッ場ダム
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