ベクレル? 遅レル? ダマサレル?
県議会、最後の日に大揺れ!
県議8年に幕を閉じる日となった。その大切な日に…
午後1時から始まった議会。各常任委員長の報告のあと、いつもの通り、議案・請願に対しての討論を各会派が行った。市・社・無からは川本さんが登壇し、私や吉川さんとの合作の数ページにわたる原稿を、得意の早口、いつもに増して猛スピードで見事に時計がゼロを指すと同時にピタリと終えた。
そして、議長が「次に発議案第○号…」と読み上げ始めた午後2時47分。
突然ユラユラ議場が揺れ始め、どんどん大きくなり、そのうちガタガタと音を立て始めた。見ると議長席の後ろの巨大な石の衝立がユッサユッサと揺れている。危ない! 議長が退席しながら叫ぶ。「暫時休憩!」
議場の外は職員も議員も右往左往。私も外に出たほうがいいのか、中にいたほうがいいのか判断に迷う。しかし、議会棟は2月に耐震化工事が終わったばかり。なんというタイミング。
議会棟の6階から、JFEの方面で煙が上がっているのが見えた。火災だ。あああこのあと、会派室のテレビで地震の凄さを目の当たりにする。私は津波というものを初めてリアルタイムで見たが、その不気味さ、物凄さに圧倒された。ねっとりとした黒い巨大なものが、広大な平野を呑みこみ、埋め尽くしていく。家が押しつぶされ、車が流されていく… 早く、みんな逃げて!と思わず叫んでしまった。
代表者会議と議運が開かれ、本会議が再スタート。
その前に、急遽小宮さんが女性県議全員を廊下に集めたので何事かと思ったら、これが私への花束贈呈式。ピンクの豪華な花束をいただく。しかし、記念撮影をする暇もなく議場へ。議会はもう討論は一切行わず、全てペーパーで提出することになり、無事に閉会となった。
私たち議員は帰ってもいいが、職員の皆さんは、女性陣も含めて全員今日は帰宅できないと言う。これから大変な作業が始まるのだ。御苦労さま。
市原の京葉コンビナートのコスモ石油のタンクが炎上している映像が映った。あああ数年前に、コンビナートの大規模な災害訓練に参加したことがあるが、特殊化学消防車の活躍を思い出す。しかし、訓練と違って実際の現場は、16号も大混乱でスムーズに行き着くことができるのだろうか。ふと、いちはらネットの山本友子の身が心配になり、携帯にかけてみるが全くつながらない。携帯も普通の電話もほとんど不通状態。
突如、ドーンと大音響がした。雷? 廊下に飛び出ると、公明党の吉野さんが「コスモのタンクが爆発した」 あああ、友子…
市原選出の塚定さんが血相変えて歩いて行った。
電車は全線不通。議員の多くが「帰宅難民」となった。。私は宮田さんと車で佐倉に帰ることにした。実は、今日の夜は私の「御苦労さん会」をやることになっていたのだが、もちろんキャンセル。
佐倉の我が家、ネットの事務所、ネットの仲間、東京の息子、あちこち電話するがほとんど不通。ようやく友子さんとつながった。なんと、彼女、16号の蘇我の当たりを運転中だったということで、いまだ大渋滞に巻き込まれにっちもさっちも行かないという。タンクがすぐそばで3回も爆発し、炎は上がるし煙だらけだし、物凄いことになっているらしい。
こちらも大渋滞の中を、2時間かけてようやく帰宅。
まあ、なんという「県議最終日」だったろう。でも、これまでお世話になった人、気持がつながった人、あの人、この人と短いながら心を込めて挨拶をかわすことができた。
皆さま、本当に8年間お世話になりました。
東金病院の遺産を引き継ぐ者は誰?
2月27日
2月県議会の代表質問では、「地域医療」についても力を込めて質問した。
県立東金病院は、東金九十九里地域医療センターが完成・開院(2014年)のあかつきには閉鎖される運命にある。東金病院はこれまで、糖尿病など慢性疾患を主に診る地域医療のかなめとして県立病院の重要な一角を担ってきた。これから作られる新センターは救命救急医療中心の病院であり、東金病院の平井愛山先生が蓄積してきた糖尿病治療などの「地域医療」を引き継ぐ受け皿はない。
平井先生が中心となって進めてきた「わかしおネットワーク」は、地域の薬局や診療所をITネットワークで結び、ひとりひとりの患者を東金病院だけで診るのではなく、地域の医療資源全体でカバーする画期的な取り組みだ。「病院完結型」の医療から、「地域完結型」の医療への転換をめざす先進的な取り組みと言ってもよい。
このわかしおネットワークはしかし、千葉県からまっとうな評価をされているとは言えない。ヒアリングをしても、なんとなく冷ややかな反応を感じてしまう。
平井先生が特に力を入れている「糖尿病」治療。
糖尿病が悪化して「人工透析」を受けるとなると、1人年間500万円はかかる。大体療養には10年から15年はかかるから、1人総額5000万円から7500万円かかってしまう計算だ。これから高齢化が進み、ますます糖尿病患者が増える見通しで、市町村の国保会計を直撃、圧迫することは間違いない。糖尿病の重症化、合併症を防ぐことができれば、それだけ医療費の節減になる。
ここに着眼し、独自の糖尿病メソッドを築き上げたのが平井先生だ。
この欠けがいのない「財産」の価値を分かろうとしないのが千葉県ではないか。
そう訴えた質問をした次の日、いすみ市で、まるで平井先生のアイデアを具現化したような「糖尿病対策事業が始まった」と言うニュースが報じられた。
そして、今日その続報が毎日新聞で報じられた。
「いすみ市は新年度から、国や県に先駆けて糖尿病に由来する疾患を予防する事業をスタートさせる。自治体に重くのしかかる医療費の抑制が目的。生活習慣病の糖尿病に着目して『70歳まで人工透析させないシステム』を行政や病院、保健師らが一体となって実現するという」具体的には、市の健康診断に、30歳代の若年層を対象とする糖尿病検診を取り入れ、同時に、糖尿病患者数の把握と治療計画、追跡調査を行い、患者一人一人管理していく体制をつくるという。まさしく平井先生が提唱実践していることだ。
国でも新年度予算では、メタボ対策から、糖尿病の重症化を防ぐ対策へとシフトしている。いすみ市の着眼が、県内にすみやかに広がることを心より願うし、佐倉市議会で議席をえることができたなら、この問題に全力で取り組んでみたいと思っている。
質問が県のホームページにアップされました
2月21日の議会質問録画映像が千葉県のホームページにアップされた。
こちらからご覧ください。→2月21日 市民ネット・社民・無所属 代表質問 大野ひろみ
さて、議会質問についてのご報告はさておき、やはり気になるのが議会中の知事の態度。
相変わらず、全くメモも取らず、たいていは目をつぶったまま、寝ているのか起きているのか、何を考えているのか、いないのか。心ここにあらずなのか、心どこに行っちゃったのか。
私だけでなく、たいていの議員は「知事はどうお考えなんでしょうか」と、再質問でも聞く。普通はメモを取らなければ絶対答えられない。ところが県議会では恐るべき「護送船団」が知事を守っているのである。再質問や再々質問のさい、隣の副知事、うしろの吉田さん、はたまた後ろの壁の向こうから、カンペが素早く回されるのだ。
今回は、どうせ、再質問でも「すれ違い、行き違い、食い違い」の答弁しか返ってこないだろうから、再々質問では今回の質問事項を総ざらえしながら、ひとつのまとまった質問にしようと思い、こう聞いた。
「知事のお得意のフレーズに千葉のポテンシャルと言うのがある。千葉の宝と言ってもいい。私は、それは三番瀬であり、印旛沼であり、子どもたちの笑顔だと思う。東金病院の築いてきた地域医療も全国に誇れる宝だ。また、移動交番や八ツ場ダムに流れるお金のひとかけらで、多くの虐待で苦しむ子どもたち、化学物質過敏症で苦しむ子どもたちが救われ、笑顔、宝が増えていく。知事にとっての宝は、カジノか、アクアラインか、移動交番なのか。最後にお答えください。知事にとっての千葉の宝とはなんなのか?!」
これはもう絶対、誰が考えても「千葉県民だ」と答えるとふんでいた。
森田知事さえ自分で答えられる質問だと思っていた。
ところが、である。
やっぱり、隣の副知事に助けを求めていらっしゃるのである。副知事二人が耳打ち。知事コックリ。
そして、ゆっくりと答えた。
「私にとっての千葉の宝、それは千葉県民でございます」
代表質問:その②移動交番
昨日の代表質問の記事が千葉日報に載った。
千葉日報の県議会の記事はちょっと困ったちゃんだ。
質問した議員の写真の横に、質問内容ではなく、執行部の「答弁要旨」を載せる。
だから、共産党丸山議員の顔写真の横に「八ツ場の治水機能、洪水対策に必要」などと書かれてしまうわけだ。
今朝の千葉日報を見ると、私の顔写真の横には「糖尿病専門治療、新センター継承」とある。
東金病院関連である。ちょっとホッとした。
で、この顔写真、多くの人から「とても穏やかな笑顔だね」と大好評を得ている。確かに、この8年間でついにベストの写真が出た!というくらいよく撮れている。苦節8年、雌伏8年、じっと我慢の8年…であった。あああ。ありがとう、千葉日報。
さて、昨日の私の代表質問。アンチ男女平等派の某自民党県議のブログでは、「左翼の独善的質問で閉口」と書かれているが、知事の姿勢を批判することイコール「左翼」と断じるその認識の狭量さと、批判を封じる右翼的独善性と、市民感覚とかい離した非現実的自己陶酔の姿に、閉口するどころか、あいた口がふさがらない。多様な価値観を一切認めようとしないその姿勢こそが「独善」だとなぜ思いいたらないのだろう。自分と意見の違う人間はゴマンといることも分からない幼稚な人間だと言わざるをえない。
さて、森田知事の政策で、特に問題なのが彼の目玉政策「移動交番」。
今年度は15台が走っているが、その業務実績はーーーー
業務の64%が子どもの登下校の見守り活動、26%が住民への防犯・交通安全講話、8%が地域住民との合同パトロール、そして2%が警察安全なんでも相談となっている。
1台800万円近くもするキャンピングカーのような豪華な車両に警察官が3人。
これでやっていることが、子どもの登下校の見守り活動???
ただでさえ、PTAや地域の自治会のパトロールがやってきた活動だ。なぜに移動交番が駆けつける必要があるのか。また、移動交番の日程は1か月前から発表され、いつ、どこに行くか全て公開されている。
だから、住民はもとより、ドロボーさんも移動交番のスケジュールを把握し、多分、「お仕事」のさいの有力な情報として利用するだろう。そこを避ければよいのだから。さらに、決められた日にちにしか現れない交番が、住民にとっていかほどの御利益があるのか。さらに、さらに、この移動交番、日中しか活動せず、犯罪多発の夜間はお休みなのである。
私が実際見に行った移動交番は、休日の「草笛の丘」にいた。入場料を払って入る施設の中に、なんで移動交番がいるのか? 閑散とした施設の中で、ひと組の親子に交通安全の講話をしたあと、私たちのインタビューに非常に丁寧に応対してくださったあと、移動交番は去っていった。
移動交番にかかる費用に目を向けよう。
2010年度の15台に加え、2011年度には23台が加わり、合計38台。この車両代が約2億5300万円。人件費がおおざっぱで年間7億7千万円。
これだけの費用をかけてやるほどのことなのか、移動交番!
今、警官二人体制の交番が県内の半数近くある。どうしても「不在交番」になりがちなのだ。この不在交番を解消し、常設型の「役に立つ交番」を少しでも増やしていくことこそが今、県民が望んでいることである。
「交番」は移動しちゃいけない。いつもそこにいて、必要な時頼りになる存在でなければならない。
移動図書館じゃないんだから。
お口直しの写真。我が家のグレープフルーツの木。
つい最近収穫したが、今年は実が非常に少なかった。でも、味は良好。